グローバル教育というと世界の共通語、英語の教育を思い浮かべがちですが、世界の人々の「多様性」を知り、認めることが大切だと言われます。世界の人々の文化・歴史・暮らしについて知ることはもちろん大切。しかし、実は、私たちにとって最も大切なことは「日本について知ること」なのです。本当の意味で子供にグローバル教育をしたいなら、日本を教えることを大切にしてみてはいかがでしょうか。
グローバル教育で重要な「多様性を認知すること」
世界との関わりを積極的に意識しなければならない現代、海外の文化・言葉・暮らしについて知り、様々な人々の多様な価値観を認めることが求められています。異文化は、特に島国日本に暮らす私たちの目にとって、異質で珍しいもの ⇒ 奇妙なもの、嫌いなもの と、捉えられてきた歴史があります。しかし、世界の国々と対等・平和なビジネスや交流が必要な時代に合わせ、そろそろ本格的に考え方の修正が必要です。異質で珍しいもの ⇒ 面白い・興味深く楽しいもの と捉えることで、相手の国の人たちの価値観を認めることになります。すなわち、多様性の認知です。
「日本について知ること」の意味
日本国内のみならず世界的視野を持つ子供にしたいと考えるとどうしても意識は海外の文化・言葉・暮らしに向きがちですが、海外で留学したり働いたりしたことのある人の多くは「日本についてもっと勉強しておけばよかった」と思うようです。私も大学生でイギリス・アメリカへホームステイした時、お城を見学すれば日本のお城や殿様について質問されたり、動物園で、日本にはキーウィバードはいるのか?と聞かれたりして「こんなに日本のことを知らずに海外へきてしまってよかったのか?」と悩みました。日本の歴史・文化・地理などを学んでおけばもっとたくさん会話ができて日本のことも伝えることができたのに!と後悔しました。
日本について知っておくことは、海外で「日本人としての私」を伝えやすくしてくれます。また、どういう背景で、どんな価値観を持ち、日本の文化のどこを愛しているのかを自分で分かっていると、自信を持って自分や日本について話すことができ、その結果、違う文化への敬意を持つことが簡単になります。
自分の文化を愛せると、他の文化を敬うことができ、他人を認めてあげることができるようになります。日本人としての伝統や心、生活を大切にできてこそ、世界でのびのびと活躍できる人になると思うのです。
日本人として受け継ぎ、伝えていきたいもの
普段は意識していないことが多いですが、伝統行事には日本人として受け継ぎ、伝えていきたいことがたくさんありますね。例えば年末年始も伝統を体験できるよいチャンス!大切にしていただきたい時期なのです!
おうちで”日本人の土台”を作ろう
年末年始はどんなことを毎年準備されますか?子どもの頃からの風景をなるべくたくさん思い出してみてください。例えば、
・大掃除
・お墓参り
・餅つき
・お節作り
・年越しそば
・お屠蘇
・初詣
・お年玉
・年賀状
・三ヶ日の過ごし方
・家族のお楽しみ(かるた・ゲーム・ご挨拶回り・書き初めなど等)
その中で、お子さんや、まだ見ぬお孫さんに受け継いで欲しいと感じるものはありますか?それはきっと、ご両親からあなたが大切に受け継いだ、愛情こもった日本の伝統ですね。それをお子さんたちにしっかりと伝えてあげることで、お子さんたちの日本人としての土台がしっかり育ちます。
私の場合は、
おばあちゃんの美味しい白菜漬け、お義母さんの美味しい昆布巻き、母のぜんざい、父が大切に磨き続けるガラスのシャンデリア、父の味付けする数の子と田作り、そして、大晦日、地元の氏神様のかがり火に照らされながらいただく、ふるまいの、生姜入り甘酒。これらをとても大切に娘たちに伝えたいと、年末年始の度になるべく一緒に体験するようにしています。
バトンをつなぎましょう!
ご両親から受け継いだバトンをしっかりと受け継ぎ、子供たちに確実に渡していきたいものですね。ご両親が元気ならば、今のうちがチャンスです!是非ご両親からしっかりと教えていただきましょう。グローバル教育を考えるなら、まずは”日本”を教えることでお子さんたちの日本人としての土台を強くできます。日本を教えることを大切にしていきましょう!