外国のお菓子をお土産やプレゼントでもらって食べてみたら一口で「まずい」「食べられない」と思うことは誰もがある経験だ。
失礼だとは思っても無理に食べられない。そんな時、あなたならどうする？子供にどうやって話すだろうか。
いただく外国のお菓子には、まず見た目の違和感から「食べられない」と感じてしまうものがある。
例えば、鮮やかな青いクリームののったマフィンや真っ黒なリコリスなどなど。食べてみるとハーブなどの独特の香りやスパイス・強烈な甘さなど、食べたことのない味がして驚いてしまう。
ヨーロッパのシナモン・クローブなどのスパイス強いシュートレン（クリスマスの焼き菓子）はスパイスが強烈。我が家はみんな大好きだけど。
アメリカのルートビア（コーラの様に見えるソフトドリンク）はちょっと苦手かな。何だか洗剤みたいな風味がすると感じる。
中国の月餅（中秋の名月を愛でる焼き菓子）も苦手な日本人が多い。甘いお菓子なのにひき肉が入っていて、ちょっと酸化した油の匂いもするからかもしれない。
そんなお菓子に出会ったら、決して無理に食べなくてもいいと思うのだけど、それぞれの文化が育ててきたお菓子だから、くれた人への敬意は払うことを考えたい。
大学2年生の時、イギリス ロンドン近くへホームステイしたとき、地元半田市のお菓子『生せんべい』を持っていった。
これは、ういろうよりも強い歯ごたえの、甘い濡れせんべいみたいなお菓子で、白、黒（黒糖）、抹茶があり、私の大好物なので、ホストファミリーもきっと喜んでくれるだろうと思ったのだ。
果たして、3歳の男の子は白い生せんべいを一口食べて「いや！」と吐き出し、両親もお姉ちゃんもほんの一口しか食べてはくれなかった。
この時のショックは相当根深く私の心に残り、そのおかげだろうか、海外のお土産は断ることなくチャレンジしてみることにしている。
「大好きなお菓子を私のために持ってきてくれたんだ。嬉しいなぁ～。」と思えば、「どれどれ、あなたはいつもどんなお菓子を楽しんでるの？食べてみたい！」と興味が湧いてくるというものだ。
何よりも、はるばる海外から持ってきてくれるなんて、それだけでも感謝ではないか。
選ぶ時から、何を喜んでくれるだろうか？と想いを巡らせ、自分の知る限り最も美味しいものを選んでくれているに違いない。
だから、一口食べて、これ以上は無理だと思ったら、せめて、「ありがとう！あなたの気持ちがとても嬉しいよ。」と感謝しよう。
そのうえで、「でも、私は食べたことのない味で、食べられない。ごめんなさい。」と伝えたらどうだろうか。
きっと相手も理解してくれるだろう。慣れない味にチャレンジできる人ばかりではないのだから。
そして、子供と一緒に海外のお菓子を食べる時は、子供にもチャレンジするか質問してみてほしい。
親が嫌いでも子供は好きかもしれない。親が「まずい！」などと騒がずに、子供の反応を見守ってあげたい。
親がどんな反応をするのか、子供は敏感で賢いからじーっと見て感じている。
あなたが「まずい」と言ってしまうと、「まずい」お菓子という思い込みで、本当にまずく感じてしまうのだ。
子供の、自分の舌で感じたことを感想として聞いてあげたい。
あなたが食べられなくても子供はそうでないかもしれない。
味覚のストライクゾーンが広いと、世界で食事が楽しくなる。
何でも感謝して美味しくいただける人は、自分も楽しい、相手も楽しい。
美味しくないと感じたら、相手の気持ちに感謝して、食べられなくてごめんなさい、と言うことだ。
ささいなことのようだけれど、人生の最後までついて回る「食べる」ということだからこそ、
おざなりにできない、重要なことだと思うのだ。
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